「アンバサダーマーケティング」とは、「アンバサダー」と呼ばれる商品やサービスの愛用者が発信する情報によって商品やサービスを多くの人に認知してもらい、消費者の購買行動を促すマーケティング方法のことです。
こちらでは、アンバサダーマーケティングで商品PRを行うメリットと注意点、混同されがちなインフルエンサーマーケティングとの違いを取り上げます。
目次
商品をPRするのにアンバサダーマーケティングが良い理由!
「アンバサダー」(ambassador)とは直訳すると「大使」という意味で、物事や商品・サービスの良いところを伝える役割を担う人のことです。近ごろ注目を集めているのが、広告塔であるアンバサダーを商品やサービスのPR媒体として活用した「アンバサダーマーケティング」。なぜこのマーケティング手法が高い評価を得ているのか、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
商品PRにアンバサダーマーケティングを利用するべき理由とは?
1人1台といわれるほどスマートフォンが普及したことにより、私たちは、タイムリーにほしい情報にアクセスできるようになりました。あらゆる情報をすばやく収集できるようになり、便利さが向上した一方で、企業が一方的に発信する従来型の広告の影響力はむしろ低下傾向にあります。
ほんの10~20年くらい前まで、商品やサービスについての主な情報源は企業が出す広告でした。しかし、現在では広告よりも知り合いからのおすすめや口コミのほうが、消費者の行動に影響を与えるといわれています。つまり、信頼できる人からの情報は、企業が出す広告よりも消費者の背中を押すということがわかったのです。従来の広告では消費者の購買行動を促せなくなってきた今、企業には情報発信の仕方を工夫することが求められています。
そこで注目を浴びているのが、アンバサダーマーケティングです。アンバサダーはもともとその商品やサービスを好んで使っている人たち。ゆえに、SNSなどにアンバサダーが投稿する情報にはリアリティがあります。アンバサダーが実際に商品やサービスを使用した感想や意見は、消費者からすると、企業が発する商品PRよりもよほど信頼できるでしょう。
アンバサダーを活用することで、企業は効果的に商品やサービスの情報を拡散できるだけでなく、消費者の興味関心を引き出し、購買行動へとつなげていくことができます。人から人へと情報が伝わっていく口コミなど、アンバサダーマーケティングを活用した商品PRは、単により多くの人に商品やサービスを認識してもらうだけでなく、潜在的な顧客に情報を共有してもらい、新たなファンを獲得する上でも非常に有効なのです。
アンバサダーマーケティングを利用するメリットに注目!
アンバサダーマーケティングは、商品やサービスの利用者(消費者)側からのリアルな声を集めることができます。これまでのマーケティング手法では、消費者の意見を集めても、商品やサービスに対する想いや意見にバラつきが多く、あまり参考にならないこともありました。調査の結果から何が課題なのかを見出すことは困難だったのです。
しかしアンバサダーマーケティングにおいて、アンバサダーとして起用するのは商品やサービスの愛用者たちです。その商品やサービスのことを愛し、真剣に考えている人たちだからこそ、良い感想だけではなく、ネガティブな意見にも価値があります。商品やサービスに関するアンバサダーのリアルな声は、商品・サービスの課題を明確にして改善していく上で、非常に役立つ情報となるのです。
また、アンバサダーを起用し、SNSやブログを通じて商品のPRをしてもらうことで、従来の広告では届かなかったユーザーにも認知してもらえます。アンバサダー発の口コミが拡散されることで、商品・サービスへの興味関心が高まり、自社のホームページやSNSアカウントへの流入が増加。効率的に受注確度の高いユーザーを取り込み、ファンを育成していくことができるのです。
すなわち、アンバサダーマーケティングは短期的な商品PRにとどまらず、中長期的な宣伝効果が見込めるマーケティング方法だといえるでしょう。
加えて、アンバサダーは企業側の人間ではなく1人の消費者なので、企業が発する情報よりも消費者に受け入れられやすいです。有名人などを起用して商品PRする場合はいかにも宣伝という印象になってしまうリスクがありますが、アンバサダーマーケティングなら親近感を持っている相手からの客観的な情報として消費者の心に届きます。
商品PRや集客にアンバサダーマーケティングを利用するポイントをご紹介!
アンバサダーマーケティングを活用する際にまず行わなくてはならないこと。それはアンバサダーの募集です。この人選は商品やサービスが売れるマーケティング戦略にとても重要。そもそも愛用者がほとんどいなければアンバサダーを見つけ出すことも、アンバサダーマーケティングを実行していくことも難しくなります。また、商品や自社のPRに適した人材でなければ、思うような効果は得られないでしょう。
こちらでは、アンバサダーマーケティングを利用する際の注意点を人選にからめて見ていきましょう。
アンバサダーマーケティングを利用する際の注意点
アンバサダーマーケティングをサービスや商品のPRに利用すると決めたら、まずはアンバサダーの募集を行います。アンバサダーは、商品やサービスの印象だけではなく企業のイメージも左右する存在。発信する情報によっては企業全体のイメージダウンにもつながりかねないため、慎重に選ぶ必要があります。大きな効果が見込めて、かつ最もリスクが少ない方法は、すでに活躍中の「インフルエンサー」を起用することです。
インフルエンサーとは世に大きな影響を与える人のことで、近年、SNSなどで活躍しています。アンバサダーとしてインフルエンサーを起用する場合、ついフォロワー数の多いインフルエンサーに目が行ってしまいがちですが、数だけにとらわれると費用対効果が悪くなる可能性があるので要注意。
フォロワーが多ければ拡散力は高いかもしれませんが、インフルエンサーとフォロワーとの間に信頼関係が成立していなければ、フォロワーの購買行動にはつながりません。よって、フォロワーとの信頼関係が築けているインフルエンサーを探しましょう。
また、複数のインフルエンサーにアンバサダーを依頼する場合も注意が必要です。確かに、アンバサダーが複数いればより多くの人々に商品やサービスを認知してもらえるかもしれません。しかし、複数のインフルエンサーが同じタイミングでポジティブな情報を発信することによって、企業とアンバサダーの利害関係が透けて見えてしまい、フォロワーからの信頼を失うリスクがあります。
一度不信感を抱かせてしまうと、興味を持ってもらえなくなってしまうので気をつけましょう。
アンバサダーマーケティングを利用する上でもう一つ重要なのが、そのインフルエンサーのコミュニティ(フォロワー)が、自社の求める消費者層と一致していることです。PRする商品やサービスがいつもの投稿ジャンルとかけ離れていると、フォロワーが興味を示さないかもしれません。また、過去にその商品やサービスに対してネガティブな投稿をしていた場合も集客にならないため、そのようなインフルエンサーをアンバサダーに起用することは避けたほうが無難でしょう。
インフルエンサーマーケティングとの違い
アンバサダーマーケティングと混同されやすいのが「インフルエンサーマーケティング」。フォロワー数の多いインフルエンサーを起用して、商品やサービスの認知度を上げるマーケティング方法です。
インフルエンサーマーケティングの最大の強みはインフルエンサーによる拡散力。すでに大規模なコミュニティを築いているインフルエンサーは、ハッシュタグや投稿によって効率良く商品やサービスに関する情報を拡散することができます。。テレビCMやバナー広告と比較して、インフルエンサーの発信する情報は親近感があり、興味や関心を持ってもらいやすいのが特徴です。
インフルエンサーマーケティングで気をつけるべき点は、インフルエンサーがすでに他の企業の商品・サービスのPRをしている場合です。人気のあるインフルエンサーは多くの企業からPRを依頼されていることがあります。しかしその場合、一つひとつの商品やサービスのアピール力は弱まりかねません。また、フォロワー数の多いインフルエンサーだと費用が高くなることにも注意しましょう。
アンバサダーマーケティングの強みは「宣伝の質の良さ」
インフルエンサーマーケティングとアンバサダーマーケティングの大きく違うところは、前者の強みが「宣伝の拡散量」であるのに対し、後者の強みは消費者心理に働きかける「宣伝の質の良さ」です。アンバサダーマーケティングにおいては、起用するアンバサダーがすでに自社の商品やサービスに強い興味と関心を抱いているため、発信する口コミに熱がこもっています。
アンバサダーマーケティングのメリットはリアルな声を反映させやすいこと
アンバサダーマーケティングでは、実際にその商品・サービスを愛用しているユーザーを起用しているため、口コミがリアルです。フォロワー数の多いインフルエンサーより情報を届ける範囲は狭くなるかもしれませんが、消費者の購買行動へとつながりやすく、高い集客力を得ることができます。
集客のためのPRにはアンバサダーマーケティングの利用がおすすめ
アンバサダーマーケティングは人選から計画実行までハードルが高いマーケティング方法ではありますが、インフルエンサーマーケティングよりも安価で、十分な集客効果が期待できます。商品PRを考えているのであれば、ぜひおすすめしたいマーケティング手法です。
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